乳腺が先か?脂肪が先か?

乳房解剖図

ここからは、豊胸、すなわちボリュームアップという意味でのバストアップの話も含めて進めて参ります。

そもそも、バストは、主に乳腺とこれを保護する脂肪によって構成されています。

まとめ(1)(2)でも述べたように、いわば、乳腺と脂肪の結合組織ということですね。

その体積割合は当然ながら個人差がありますが、一般的には乳腺1に対して脂肪が9の割合だと言われています。

ですから、乳腺の発達のし具合に個人差があるとしても、乳房のボリュームは脂肪の量が大きく貢献していることになります。

乳腺は集まって小葉となり、これがまた集まって乳管となり、15~20の乳管が集まって乳頭に開口しています。

これらの乳腺組織は大胸筋膜と繋がる線維性結合組織に覆われ、その周囲を脂肪組織が覆っています。

すなわち、「乳腺と脂肪の結合組織」はもっと正確に言えば、「大胸筋膜に繋がる線維性結合組織に覆われた乳腺と脂肪の結合組織」ということです。

バストの下垂は、「大胸筋膜に繋がる線維性結合組織」に大きく依拠していることが想像していただけるのではないでしょうか?

すなわち、

  • 下垂は、乳腺組織が絡まる線維性結合組織の結合力と脂肪の成形自己保持性とが関与しているものと類推されます。
  • ボリュームアップは、脂肪の量そのものによると類推されます。

といったまとめで落ち着きそうです。

さて、バストのボリュームですが、基本的には身長と同じように成長期に基本サイズがほぼ決定づけられます。

すなわち、10歳頃から18歳頃までの成長期に、女性ホルモンがいかに分泌されるかによって基本サイズが決まっていくことは間違いがないことでしょう。

これを読まれているあなたは、すでに成長期を終えられている方が多いでしょうけれど、何もがっかりすることはありません。

女性ホルモンは次期を区切って「おっぱい大きくする役割はもう全く止~めた」なんてことは考え難いことですし、実際、成長期を終えてからボリュームアップされた方も沢山居らっしゃることは事実です。

ここで、「では、女性ホルモンをよく分泌させるには?」というお話になるわけですね。

世の中にいろんな話が飛び交っていようが、結局は「人間の体は食事と睡眠と運動によって作られる」という原点に立ち戻るしかないことは、もう少し後でお話することにしまして、世の中に飛び交ういろんな話から見つめていきましょう。

「バストアップするためには?」に関するネット情報見聞記

  1. 乳腺を発達させればよい。
  2. 脂肪を増やせばよい。

といった2つの説が、実際のネット情報では数多く挙がっており、「1が正しい!」「いや2が正しい」などという諸説が乱舞しています。

正直、研究者や医者でも分からないことを断定的に物言いする姿には少し唖然としてしまいます。

この2つの説に対応するかのように、誰が作ったのかは知りませんが「乳腺質型乳房」「脂肪質型乳房」という言葉まで飛び出して分類分けされています。

ネット情報にしては、的確な分類分けだと思いますが、見落とされがちなのは、結果としての分類化であり、単に乳腺が非常に多肢に発達しているかいないかを言い表したものですから、「乳腺を発達させればよい」「脂肪を増やせばよい」の議論と1対1に対応するものではないということです。

それに、乳腺質か脂肪質かは、正確にはマンモグラフィーでも撮ってもらわないと分からないことでもあります。

実際、マンモグラフィーの写真などから見ると、乳腺が発達した人(乳腺密度の高い人)がバストのボリュームが大きいかというとそうではないように見受けられます。

全体的な印象としては、医学の専門家の間では乳腺とバストの大きさに言及している方は少なく、医学的にはむしろ「バストの大きさは脂肪の量によって決まる」というのが最大公約数的なコンセンサスとなっていると考えられます。

乳腺とバストの大きさの関係性については、強いて言えば、「脂肪」に連接すべく「乳腺の発達が脂肪の増加を呼び込む」という考えが暗黙のコンセンサスになっているのかなという印象です。

但し、「乳腺の発達具合とバストの大きさは無関係」と主張しておられる専門家もおられますから、このピンポイントに絞った命題は何とも結論が出しにくいところです。

乳腺を発達させれば(中には乳腺の数を増やせばバストアップするなんてトンデモを書いている方も居られました:乳腺の数は誰も大きくは変わらないし、増えたり減ったりするものではない)バストが大きくなるという説は非常に多く見られます。

確かに、乳腺の発達に伴い脂肪が付随してくると考えることは自然な流れかとは思いますが、根拠はあるのだろうかと思っていましたところ一つの論文が見つかりました。

『乳腺体積と乳房体積は強い相関性がある』ことを示した論文です。

但し、乳腺は発達しているのにサイズが小さい方はどう説明できるのか?という点までは解明できません。

この結論は次回にお話しますので、今は頭に留めておいていただければと思います。

常識的に考えますと、乳腺はひたすら授乳時に赤ちゃんの為に脂肪を含む栄養や免疫物質を産生するものであり、通常時に自分のために積極的に脂肪を作るとは考えにくいのですが、如何でしょうか?

一方、脂肪細胞から分泌される因子(HGF)が乳腺上皮細胞の形態形成を誘導するという牛での実験報告がなされています。

しかし、一方で脂肪細胞から分泌される別の因子(レプチン:肥満の抑制因子)は乳腺上皮細胞の形態形成を阻害・抑制するそうですから、まさに、脂肪細胞は単に乳腺を発達させる役割ではなく、状況によって抑制・調整する役割も担っているようです。

これは何を意味するのかといいますと、バストの脂肪を増やそうと高脂肪食を過度に食べると、逆に乳腺の発達を阻害する(ラットでは確認済み)ということになりそうだということです。

これは、女性としてはあまり喜ばしいことではありませんね。

もちろん、人に適用できるかどうかは定かではありませんので、同じ哺乳類として類似性を類推し人での観察のベースとすることしかできません。

このように見て来ますと、乳腺と脂肪の間には相補的に密接な遣り取りがあり、双方が卵巣や下垂体,副腎皮質由来の全身性のホルモンによって制御されていることが伺い知れます。

即ち、乳腺組織の発達に付随する脂肪の増加との相乗効果がバストアップに繋がるという考えが最も合理的であるかと思われます。

但し、そのためのノウハウとして出ているマッサージ手法などは何の根拠も見られず、実際上は無意味である可能性は大きいと考えられます。

また、一旦太ってバストのボリュームアップをして、その後ダイエットするという手法でバストアップされた方も居られるようですが、誰にでも適合する手法であるのかどうかは分かりません。

バストに脂肪を付けようとしてもそんなに単純なものではないということも見えてきたのではないでしょうか?

エストロゲンなる女性ホルモンが司っていた役割を、意図的に取って替る方法を模索しても至難の業であり、大して実が伴わないということのように思われます。

正直、女性ホルモンに任せるしかないというのが最終的で現実的な可能性のある結論ではないでしょうか?

何故なら女性ホルモン分泌促進へのアプローチは理論的にも最も可能性が高いと判断されるからです。

そのアプローチをした上で、自身のエストロゲンあるいは代替のエストロゲン様の物質に頑張ってもらうのが最も合理的と思われます。

エストロゲンに任せる!あるいは、その代役に任せる!

女性ホルモン分泌を促すための根源的な条件は、

  1. 出来る限り夜更かしをせずに十分な睡眠を取る
  2. バランスの良い食事(またしてもか!という声が聞こえてきそう)
  3. 適度な運動

特に、1 は、女性ホルモン分泌にとってゴールデンタイムと言われる22時~2時の分泌のみならず、翌朝8時~10時のシルバータイムも含めると天と地ほどの分泌量の差が出ます。(研究の報告より)

ですから、22時が無理なら23時には就寝するとかの生活習慣への努力がバストのボリュームアップにとっては先ずやるべき方法だと言えるでしょう。

次には、「バランスの良い食事」と言うと、言葉としてはあまりにも当たり前で怒られそうなのですが、実際にできている人はどれほど居られることでしょうか?

とは言っても、女性ホルモン分泌にとって効果が見込める栄養を知っておくことは大切なことです。
実際に「〇〇を採ったら女性ホルモンの分泌を促進する」といった情報も多く見られますね。

その代表的なものは、大豆イソフラボンですね。
こちらは男性の前立腺肥大を改善する成分としても注目されています。

実際、大豆イソフラボンを採ってバストのボリュームアップに繋がったという体験談は多く見られ、情報としては「真」と捉えて間違いないのですが、やっぱり但し書きがつくのです。

その但し書きは、

  • イソフラボンの一種ダイゼインは、腸内の菌によって、エクオールという物質に変えられて初めて強いエストロゲン様作用を持つということ。
  • エクリオールに変化させる菌を持っている人の割合はおよそ半数であること。
  • 通常の食材(大豆・豆腐・豆乳・納豆・キナコetc)として摂取した場合は過剰摂取する可能性が低いと考えられるので、安全と見なせますが、サプリとして過剰摂取した場合はこの限りではない。

※大豆イソフラボンの安全な1日総摂取量は、内閣府食品安全委員会で70~75mgを上限値とするという基準を設けています。

※特に、きな粉はイソフラボンが非常に多く含まれており、12gの摂取でイソフラボン30mgの摂取となります。

※もし、特定保健用食品やサプリの形で摂取されるのでしたら、1日30mgを越えないようにしましょう!





すなわち、大豆イソフラボンを採ってエストロゲン様作用として効果が期待できる人は約半数であることになります。

半分の方は、効果が出ない可能性が大ということになります。(販売者は、こういった知識を書きませんね。)

エクオールという物質が作れない約半数の人はどうすればいいの?

もし「どうやら自分は作れない方らしい」と分かっても、サプリで直接摂取する方法もあるということだけは知っておかれるに越したことはありません。

その前に、エクオールが作れるか作れないかを判定するには、実際に意識的に大豆イソフラボンを摂取してみて、期待する効果が現れるかどうかで判断するしかないと思われるのですが、すでに、これを検査してくれるキットが世に出ているようです。

まぁ、大豆イソフラボンの需要の掘り起こしのためでしょうけれど、イソフラボン自体の有用性と安全性の枠組みが出来ている以上、企業としては自然で妥当な流れだと思います。

その他には、ビタミンB6やビタミンEが女性ホルモン分泌を促す栄養素として挙げられています。

ビタミンB6
にんにく・とうがらし・まぐろ・かつお・鮭・牛レバー・鶏レバー・豚レベー・バナナ・ピスタチオ・抹茶etc
ビタミンE
あんこうの肝・すじこ・いくら・とうがらし・モロヘイヤ・だいこん葉・かぼちゃ・ゆず・アボガド・アーモンドetc

総じて、お魚類、お肉であればレバー、とうがらしはどちらの栄養素も豊富なことが分かりますね。

詳しく掘り下げることはしませんが、普段の食事の食材に積極的に採用して組み立てることも組み入れられるといいのではないでしょうか?

最後に「適度な運動」ですが、まとめ(1)(2)でも述べたようにバストアップをターゲットととするならば、「大胸筋を鍛える」エクササイズを加えることが最も効果的であることは、イソフラボンの効果有りと同じぐらい成功体験談でも多く見受けられます。

第3回結論

エストロゲンの役割を奪わず、エストロゲンに任せる!
そして補佐的にエストロゲン様物質にHelpしてもらう。